2026.01.05 中国電池メーカー、ナトリウムイオン電池に照準 CATLは用途拡大狙う
CATLのNaイオン電池「Naxtra」
中国の電池メーカーは2026年、ナトリウム(Na)イオン電池の開発に重点を置く気配だ。電池のトップメーカーCATL(寧徳時代新能源科技)の幹部は昨年暮れに福建省寧徳市で開催したサプライヤーズ会議で、26年はNaイオン電池の用途が一段と拡大すると述べ、今年の重点方針にする考えを述べた。一方、国内電池大手の恵州億緯鋰能(EVEエナジー)も、Naイオン電池の新工場建設の起工式を行った。
Naイオン電池は、リチウム(Li)イオンの代わりに資源が豊富なNaイオンを使う。Liより入手しやすくコストが安い上、発火リスクが低く、安全性に富む。一方、航続距離やエネルギー密度の面では、Liイオン電池に及ばない。このため、用途に応じて使い分けが必要となりそうだ。
Naイオン電池への関心が電池メーカーの間で高まっているのは、Li材料の急速な高騰のため。昨年暮れには国内の関連材料メーカーの株式が5~10%値上がるという現象も起きている。そこで同社は昨年末のサプライヤー会議で、将来的にはLiイオンとNaイオン両電池の二本立てで事業を推進する方針を確認した。特にNaイオン電池は、電気自動車(EV)用電池交換ステーション、乗用車、商用車、定置型蓄電システム向けに積極的な用途拡大を目指す方針を明らかにした。
CATLは国内メーカーの中でも、Naイオン電池では開発で先行。21年半ばにエネルギー密度が160Wh/kgというNaイオン電池の第1世代版を発表して以来、開発を重ねてきた。24年には200Wh/kgのエネルギー密度、25年4月には車載用で最新版の「Naxtra」ブランドの電池を発表。Liイオン電池との置き換えに乗り出している。同社によると、Naxtraはエネルギー密度で最大175Wh/kg、巡航距離で500kmを達成し、メンテナンスコストも大幅に削減したという。
国内電池業界第4位のEVEエナジーは昨年12月22日、10億元(約200億円)を投入してNaイオン工場の起工式を行った。新工場は、広東省恵州市の同社本社に近接した地域。Naイオン電池のほか、AI(人工知能)とロボティクスの研究開発から量産工場までを手がける施設を建設し、合計の床面積が9万㎡に上る一貫設備だ。電池の年間生産能力は2GWh。同社は、円筒型電池セルやLFP(リン酸鉄リチウム)電池に強い。
中国では、リチウム材料の高騰や安全性が強く叫ばれており、Naイオン電池に取り組むメーカーが26年以降さらに増えると予想される。










