2026.01.07 島津製作所、電子顕微鏡販売で攻勢 チェコの有力企業を傘下に
Tescan製SEMを日本市場向けにカスタマイズした島津製作所の「SUPERSCAN SS-3000」(中央奥)
島津製作所は、チェコの分析機器メーカー、TESCAN(テスキャン)グループを傘下に入れ、これを機に同社製電子顕微鏡を日本市場向けにカスタマイズして販売を始めた。テスキャンの買収は昨年12月に発表し、今年上半期には買収完了を予定している。1000億円を超える買収額は島津製作所にとって最大規模になる。
買収対象のテスキャンは、チェコを中心に世界11カ国に営業拠点を配置し事業展開する走査型電子顕微鏡(SEM)の有力企業。
電子顕微鏡の市場は、半導体や材料、ライフサイエンス(生命科学)などで利用が拡大している。ユーザーは、主に大学や研究機関、企業などだ。米メリーランド州を拠点とする調査会社Market Research.comによると、2024年の世界の同市場は45億4000万ドル規模で、25年には49億3000万ドルに拡大。34年までには102億ドル、年間の平均伸び率は8.5%と予想されている。日本勢の日本電子(JEOL)や日立ハイテクが強く、米サーモフィッシャー・サイエンティフィック、独カールツァイス(ZEISS)の4強を、テスキャンなどが追う構図になっているという。
島津製作所は分析機器分野で高い技術力を有しているが、電子顕微鏡の事業は長い間、空白地帯の状況にあった。しかし、電子顕微鏡の需要が高まる中、特に半導体分野で不可欠な故障解析技術をテスキャンが幅広く保有しているとの認識から同社に買収の照準を定めたと、同社幹部は買収の狙いを説明する。半導体分野やライフサイエンス、材質検査など、電子顕微鏡の用途は広い。
島津製作所は、24年7月にテスキャンと業務提携。25年2月にはテスキャンとの共同ブランド品の第1弾となる「SUPERSCAN SS-4000」の国内販売をスタートさせた。4月には「SS-3000」、6月には「SS-2000」の2機種を追加し、3機種体制を整えた。マニュアルやソフトウエアを日本語対応にしてカスタム化し、日本市場での食い込みを図る。
価格は、SS-2000で税込み3890万円、SS-3000がオプションにより同7220万円から。最高額はSS-4000の同1億2914万円。同社は、各機種ともそれぞれ年間10~20台の販売を見込んでいる。











