2025.12.25 島津製作所、チェコの顕微鏡メーカーを傘下へ 1000億円規模で買収
島津製作所とTescanが共同ブランドで国内販売している電子顕微鏡
島津製作所は25日、チェコの顕微鏡メーカー大手Tescan Group(テスキャン)を完全子会社化することでテスキャンを傘下に置くチェコのGlass HoldCoと合意したと発表した。買収額は約6億7800万ドル(約1058億円)で、同社にとって過去最大の買収規模となる。
テスキャンは、欧米・アジアで積極的に事業展開する分析・計測機器市場の有力企業。これまでに走査型(SEM)、収束イオンビーム走査(FIB‐SEM)、透過型(TEM)の各種電子顕微鏡で累計4000台以上の販売実績という。
島津製作所は、24年7月にテスキャンと業務提携。自社の製品に、テスキャンの製品を加えて、ラインアップを強化してきた。
今年2月には、協力関係を拡大し、電子顕微鏡の販売を共同ブランドでスタートさせた。第1弾は、電子顕微鏡「SUPERSCAN SS-4000」2機種の国内販売。同製品には、日本語のソフトウエアやマニュアルを整備し、研究機関向けに販売してきた。
島津製作所は、電子顕微鏡分野の参入は早かったが、取り組みが十分でなかった。しかし、総合分析機器メーカーとして欧州市場でのプレゼンスを高めるには、電子顕微鏡は不可欠と判断し、テスキャンの買収に動いた。買収の完了は、26年前半の予定。









