2026.01.19 日本の半導体製造装置、26年度は2桁増予測「将来的にもAIがけん引」SEAJ

 日本製半導体製造装置の需要は2026年度、前年比2桁台の成長率に--。日本半導体製造装置協会(SEAJ)がまとめた市場規模動向調査でこんな見通しが明らかになった。人工知能(AI)関連が需要をけん引。一方で、フラットパネルディスプレー(FPD)製造装置は26年度横ばいを見込む。

 SEAJの半導体調査統計専門委員会、FPD調査統計専門委員会による需要予測とSEAJ理事、監事20社による市場規模動向調査結果を議論し判断した。

 日本製半導体製造装置の販売高は25年度は前年比3%増の4兆9111億円と予測する。台湾の半導体製造受託企業(ファウンドリー)がゲート・オール・アラウンド(GAA)方式を用いた回路線幅2nm相当の微細な製造プロセスへの投資を本格化。高帯域幅メモリー(HBM)を中心にデータの1次記憶向けのメモリー半導体DRAMへの投資は底堅く、26年度は同12%増の5兆5004億円と見込む。DRAM投資の継続した拡大、AIサーバー向けに演算を担うロジック半導体の先端品で投資拡大も期待する。27年度もAI関連需要が続き同2%増の5兆6104億円と予測する。25年度、26年度、27年度すべて25年7月時点の予測から上方修正している。

 2次記憶をつかさどるNANDはDC向け需要拡大に加え、同じく2次記憶を担うハードディスク装置(HDD)の供給不足も重なりNANDを使ったソリッド・ステート・ドライブ(SSD)が伸びる。需要の継続性への不透明感やDRAM優先のため大規模な投資拡大は見られないが、平均販売価格は上昇基調にあるとした。

 ロジックはDC向けに汎用GPUに加え、低コスト、高速処理、低消費電力を理由に特定用途向け集積回路(ASIC)需要が増加。スマートフォンやパソコン向けも末端の機器で動作するエッジAIの消費電力を抑えるため、微細化や、製造プロセスなどの異なる複数の半導体を同じパッケージに収めるヘテロジニアスインテグレーション(異種集積)への要求がある。

 SEAJは将来的にもAIが半導体市場の成長をけん引すると予測。人間のように文章を解釈、生成できる大規模言語モデル(LLM)基盤として計画立案、意志決定、行動が可能なエージェンティックAIや、物理空間で行動するフィジカルAIの学習、推論により多くの計算能力が必要。GAA構造の進化、メモリーの高積層化、裏面電源供給(BSPDN)技術への投資を見込む。ロジックの性能向上に対しメモリー帯域幅向上がボトルネックとなる「メモリーウォール」問題の解決に向け、DRAMの微細化や積層数増加によるHBMの容量拡大と世代移行の加速、大容量NANDを用いた高帯域幅フラッシュメモリー(HBF)技術などにも期待する。

 半導体製造装置の日本市場での販売高について、25年度は前年比5%増の1兆3147億円と予測する。車載とパワー半導体の投資が大きく落ち込む一方、NANDフラッシュとDRAMの先端品向けに投資があった。26年度も堅調なメモリー投資を予想し、同5%増の1兆3805億円と予測。27年度はファウンドリー大手の第2期投資や2nmロジックの量産投資も加わり、同10%増の1兆5185億円とみる。

 FPD製造装置は25年度は韓国と中国で8.6世代とも呼ぶより大型の基板を使った有機ELディスプレイ(OLED)への投資が始まるが、3月までの販売計上タイミングを精査した結果として、前年比3%増の3490億円と予測する。26年度も8.6世代基板を採用したOLEDへの投資はあるが、一部は翌年度に繰り越すため横ばい。27年度はOLEDの前年度繰り越し分と、テレビ画面サイズの大型化による投資を合わせ同23%増の4292億円と予測する。