2026.03.07 風戸賞・風戸研究奨励賞を若手6人が受賞、電子顕微鏡関連研究を評価
風戸賞の表彰を受ける産業技術総合研究所の林氏
電子顕微鏡に関する研究を奨励する風戸研究奨励会は7日、東京都内で「風戸賞」と「風戸研究奨励賞」の授賞式を開催した。両賞の授与式は今回で19回目を迎える。
風戸賞には、45歳以下で優れた研究実績を持つ研究者2人が選ばれた。受賞したのは、産業技術総合研究所材料基盤研究部門主任研究員の林永昌氏と山梨大学大学院総合研究部医学域教授の小田賢幸氏。
林氏の研究課題は「先端電子顕微鏡を用いた新しい二次元構造体の解明」。先端電子顕微鏡を用いた局所構造・電子状態解析技術が、将来の電子デバイス材料開発の基礎となる知見を提供するのに有用であることを示すという観点で高く評価された。
小田氏の研究課題は「クライオ電子顕微鏡による細胞構造の解明」。試料を極低温に置き電子顕微鏡の真空中でも水を保持したまま観察可能な手法「クライオ電子顕微鏡」を用いて、細胞の多彩な構造をその構成分子構築のレベルで解明し、独創的な成果を上げた。
一方で風戸研究奨励賞には、37歳以下の研究者の中から東京大学大学院工学研究科助教の佐々野駿氏を含む4人が選ばれた。
同財団は、日本電子の創設者で初代社長の故・風戸健二氏が、創業以来の恩顧への感謝を社会に還元したいとの思いから、同社株式10万株を拠出して設立された。若手研究者への支援として、風戸賞・風戸研究奨励賞のほか、満40歳以下の研究者が国際会議で自身の研究を発表する際に支援する「国際会議発表渡航助成」も実施している。
財団発足から2025年度までの56年間で、支援を受けた研究者は累計714人、助成総額は約3億100万円に達した。
授賞式であいさつに立った同財団の幾原雄一理事長は「風戸研究奨励会役員一同は、今後も助成支援事業を継続・発展させ、電子顕微鏡関連分野の若手研究者の育成に尽力していく」と述べ、支援事業の充実に意欲を示した。










