2026.04.27 【九州・沖縄地区特集】九州で半導体人材需要拡大 家電流通は制度変化で前倒し需要
オープニングセールでもエアコン好調(ヤマダデンキテックランドNew唐津店)
半導体投資の拡大と制度変化を背景に、九州の産業と消費市場が同時に動いている。新工場の稼働や設備増強で半導体人材の需要が高まる一方、家電流通では省エネ基準改定や蛍光灯の生産終了を見据えた需要の前倒しが進む。成長分野と生活分野の双方で変化が顕在化する中、地域の企業や販売現場は対応を急ぐ。
九州地域の次世代担う新入社員たちが続々入社
こうした中、4月1日には多くの企業が新入社員を迎えた。新生シリコンアイランドとして活況を呈する九州では、3nm半導体の量産を進めるTSMCの日本子会社JASMに4期生として105人が入社。九州半導体人材育成等コンソーシアムの報告でも採用規模は拡大したが計画未達で不足感は強く、中長期では再び人材不足が顕在化する見通しだ。
制度変更で前倒し需要 エアコン販売が活発化
家電流通では、2027年4月に省エネ基準が引き上げられるエアコンと、同年末に蛍光灯の生産終了を控えたLED照明の動きが注視されている。制度変更を見据えた需要の前倒しが進み、販売現場では早期提案を強めている。
数年続く猛暑も追い風となり、エアコンはシーズン前から動きが活発だ。3月下旬にオープンしたヤマダデンキテックランドNew唐津店(佐賀県唐津市)では、オープニングセールから好調に推移。まとめ買いや上位機種へのシフトも見られ、単価上昇にもつながっている。
チラシ・POPで認知拡大 地域店が需要喚起
熊本県内に11店舗を展開する電気プラザグループは、3月に各店で個展を開催した。電気プラザカメヤ(熊本市南区)では、招待状にエアコンとLED照明の「2027年問題」を訴求するチラシを同封。来場客からは「蛍光灯がなくなると聞いたのでLEDを見たい」といった声が聞かれた。エアコンも、省エネ基準引き上げによる価格上昇の可能性を説明することで、これまで認識していなかった顧客の購入を後押しし、子ども部屋や使用頻度の低い部屋の買い替え需要を取り込んだ。売り上げは目標を大きく上回り、本田敬喜社長は「久々にヒットした」と手応えを語る。
北九州市小倉北区のリズ・トーチク魚町店では、商店街に面したウィンドーに複数のPOPを掲示し、通行客にも広く訴求している。エアコンの設置工事が増加し、リフォーム対応に手が回らない状況が続くなど、施工需要も逼迫(ひっぱく)している。LED照明はエアコンほどの伸びには至っていないが、高齢顧客を中心に交換ニーズは潜在的に大きいとみており、6月の展示会を通じて認知拡大と需要喚起を図る。
大型店の出店続く 価格競争も激化へ
一方、大型家電量販店の出店も相次ぐ。ベスト電器福岡本店は今春、アウトレットベスト博多店(福岡市博多区)のビルへ移転オープンを予定する。6月には北九州市小倉南区で店舗面積5016㎡のケーズデンキ小倉東インター店、9月には同小倉北区で1万3307㎡のヤマダデンキ中井口店(仮称)が開業する見込みだ。新店効果による集客とともに、オープニングセールの価格戦略が市場全体の動向を左右する可能性もある。制度変更を契機とした需要創出に加え、販売競争も一段と激しさを増している。






パイオニア 新体制で始動 次の成長への軌跡を追う




