2026.06.25 オムロンなど、SASリスク予測AI 186万人のデータで高精度化 隠れ患者の早期発見へ
オムロンと連結子会社のJMDC、筑波大学の共同研究グループは24日、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクを高精度に予測するAI(人工知能)モデルを開発したと発表した。JMDCの医療データに、PHR(パーソナルヘルスレコード)サービス「Pep Up(ペップアップ)」に記録された日々のライフログデータを組み合わせた。今後は、予測サービスの社会実装などに取り組む。
研究では、JMDCが保有する仮名加工されたレセプト(診療報酬明細書)データや健康診断データに加え、Pep Upに記録された日々のライフログデータを活用した。家庭血圧、体重、睡眠時間、歩数など、約186万人のPep Upユーザーから収集した大規模データを対象とした。
手法は機械学習を使った。SASの治療(CPAP治療)を受けている人の特徴を学習し、合計279のデータ項目から、治療が必要なレベルのSASを予測した。
レセプトや健康診断データだけでなく、血圧計、体組成計、ウエアラブルデバイスなどから得られる日常の健康データ(PHR)も予測に組み込んだ。PHR情報がある場合とない場合で予測精度を比較し、開発したAIモデルが、治療が必要なレベルのSASの有無を非常に高い精度で予測できることを確認した。
予測性能を示す指標のAUROCは0.898だった。予測スコアが上位1%に入った人のうち約3割(28.3%)、上位10%に入った人のうち約1割(10.3%)が、実際にCPAP治療を受けているSAS患者に該当した。無作為に検査する場合の研究対象集団における有病率1.6%と比べ、効率的に対象者を絞り込めるという。
重要な予測因子として、男性、年齢、BMI、腹囲などが上位に挙がり、過去の研究と矛盾しない結果となった。健康診断の採血結果や、睡眠時間などの日々のライフログも予測に寄与していた。Pep Upを通じて血圧、睡眠時間、体重などを日常的に記録しているユーザーほど、PHRが予測に貢献する度合いが高いことも分かった。
今後は、日常生活の中で「隠れSAS」をスクリーニングする仕組みづくりや、成果を生かした予測サービスの社会実装に取り組む。「隠れSAS」の早期発見や医療への適切な誘導につなげるほか、定常的なバイタル測定の促進、さらなるAIモデルの展開も視野に入れる。








