2026.07.17 富士ソフト、AI実装力を強化 3領域を柱に事業戦略 共通基盤を26年中に整備

 富士ソフトは16日、AI(人工知能)を業務や設備、システムと連動させ、現場で継続的に稼働させる「Gen.2 AI事業戦略」を発表した。「フィジカルAI」「ビジネスAI」「エンジニアリングAI」を3本柱とし、AI開発・提供の共通基盤となる「AIアセットファブリック」を2026年中に整備する。AI、IT、OT(制御・運用技術)を組み合わせ、実証実験から本格運用まで一貫して支援する。

 日本企業は、労働人口の減少や高度技術者の不足、ITコストの高騰といった構造的な課題に直面している。企業のAI活用も、情報の整理や提案を担う「考えるAI」から、業務や設備を実際に動かす「現場で動かすAI」へ移りつつある。

 富士ソフトは、AIモデルの構築から制御、システムとの統合、運用までを担う。「ACTIONABLE AI―AIを『動かし続ける』会社」を掲げ、PoC(実証実験)にとどまらないAI活用を支援する。

 同社は、組み込み・制御分野で培ったAI、IT、OTの統合力を強みとする。スマートファクトリーやロボット、自動運転、社会インフラなど、高い安全性や安定稼働が求められる分野で蓄積した知見を、再利用可能なサービスとして体系化する。システムを現場で稼働させる「ラストワンマイル」の実装まで支援する方針だ。

 事業戦略のうち、フィジカルAIは設備やロボットの制御、ビジネスAIは人の業務の支援・代替を担う。エンジニアリングAIは、システムの開発や運用へのAI活用を進める。

 3領域を支えるAIアセットファブリックは、再利用可能な開発資産、品質と再現性を管理する「コントロールプレーン」、特定企業の製品に依存せず最適な技術を選ぶ「AIテクノロジースタック」で構成する。実証済みの開発資産を再利用し、開発期間の短縮と品質の確保を両立する。AIが誤った情報を生成するハルシネーションや、AIを使った開発に伴う品質低下も抑える。

 人材戦略も見直す。全社員をAI、業務、顧客価値を結び付けられる人材へ転換し、人事評価の軸を稼働率や売り上げから、付加価値、再現性、貢献度へ移す。

 2026年をAI活用の基盤構築段階と位置付け、2027年に成長エンジンの確立を目指す。2028年以降は「AIで社会を動かす会社」の実現に向け、事業を拡大する。