2026.07.27 【半導体総合/エレクトロニクス商社特集】カナデン・守屋太社長 新中経で高収益化へ 照準4事業体制で成長領域拡大へ

 カナデンは、2026~28年度の中期経営計画「True Solution 2028」で掲げる高収益化へ向け、事業セグメントを組み換え、FA(工場自動化)システム、ビル設備、半導体・デバイス、社会インフラの新たな4事業体制とした。前中計で課題となったソリューションビジネスの拡大を加速し、顧客の現場課題を解く提案型への転換をより一層進める。市場全体でAI(人工知能)関連投資が拡大する中、守屋太社長は、足元の市況について「半導体製造装置やデータセンター向けが好調に推移している。中国市場も回復してきている」と語った。

 成長の柱となるFAシステムは、AI関連のインフラ整備で活況な国内データセンター向けに受変電設備が順調だ。特にトップランナー制度(省エネ基準)への移行に伴う変圧器の単価上昇なども売上を牽引している。また、熊本県では半導体工場の集積を背景に自動車関連工場など省人化投資が活発化している。同社は、エンジニアを県外から手配し、システム導入を支えている。

 半導体・デバイスは、インバーター、サーボ向けパワー半導体が伸びる。仕入れ先が増産体制に入り、産機向けを強化する動きも取り込む。また、FA向けには、システム・オン・モジュール(SOM)も打ち出す。Wi-Fiモジュールは、非省エネ機器の規制に伴う空調向けの駆け込み需要をつかみ、日本製空調機の海外拡販も追い風となる。

 ビル設備は、情報通信を統合し、AIカメラと連携する映像管理システム(VMS)を中心に提案。クマなどの獣害対策にも使えるソリューションを開発し、社会課題への貢献もしている。

 社会インフラは、防衛、医療が好調だ。防衛は利益率向上を見込み、医療は放射線治療装置を中心に成長を狙う。交通は、同社独自の提案によるインフラリニューアル需要が増加している。

 業務面では、「カナデンAX+」としてAI活用を進める。成功事例や商材マニュアルを取り込み、ソリューション提案や迅速な問い合わせ対応に生かすことで、他社との差別化と顧客満足度の向上につなげる。

 新事業体制を契機に、AI活用を連動させ、持続的な成長に向けた実行力を高めて中計達成を目指す。