2026.09.21 【電子部品メーカー・商社/ASEAN拠点特集】日系電子部品各社 ASEANで高付加価値戦略
車載・半導体向けを強化 インド市場の開拓も加速
日系電子部品メーカー各社のASEAN現地法人は、自動車、産業機器、ICT機器、半導体関連など、高付加価値分野を狙う製造戦略と営業・マーケティング活動を強化している。非民生領域のハイエンド製品に向けた生産・販売比率を高め、事業の付加価値向上を図る。高成長が見込まれるインド市場も見据え、顧客開拓や調達網の整備を急ぐ。
日系電子部品メーカー各社のASEAN工場は、かつて日系AV機器向けが高い生産比率を占めていたが、近年は域内の需要構造の変化に伴い、生産品目が大きく変わっている。特にここ数年は、日系や欧米系などの外資系自動車メーカーやTier1(1次部品メーカー)が投資を拡大。車載用電子部品にも現地生産・現地調達を求める動きが強まり、日系部品工場でも車載向けを軸に生産能力を増強する企業が多い。
ASEANでは半導体産業の集積も進む。特にマレーシア北部のペナンには、欧米系をはじめとする主要半導体メーカーが数多く進出し、半導体の一大集積地・市場を形成している。今後も半導体各社によるASEANでの設備投資計画が相次ぎ、日系部品メーカーでも半導体プロセス用部品を増産する動きが活発になっている。
このほか、現地の電力インフラ需要に対応するパワー系部品や、ICT端末のASEAN生産シフトを捉えたハイエンド部品の増産も進む。AI(人工知能)の普及を背景に、ASEANでもAIデータセンター(DC)の電力消費が急増している。部品各社は、域内で計画される各種の電力関連大型プロジェクトへの参画を進めている。
民生分野では、AV機器向け部品の生産比率が低下する一方、エアコン向け部品の生産は引き続き重視されている。
高い成長が見込まれるインド市場を見据えた戦略も、一段と重要になっている。特に近年は、日系の車両・エアコンメーカーによるインド生産を支える一方、インドの四輪・二輪車メーカーの開拓にも力を入れている。
数年前までインドには半導体デバイス工場がほとんどなく、「半導体不毛の地」ともされていた。最近は半導体工場の立ち上げに向けた各種プロジェクトが国内各地で計画され、中長期的なインド半導体市場の成長に対する期待も高まっている。
日系部品メーカー各社は、ASEAN事業の高付加価値化に向け、製造設備や部材の現地調達率向上にも力を入れる。部材調達では、いまだ中国からの輸入部材に大きく依存する工場もある。各社はASEAN域内で新たな調達先を開拓し、代替部材への切り替えを進めることで、部材調達を含む自己完結型の生産体制を構築していく。










