2026.11.05 ルネサス、産業機器向け64ビットMPUの新製品 モーター制御やアプリケーション処理など1チップで対応

1チップでロボット・産機のモーター制御やアプリケーション処理などに対応する「RZ/T2N」

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは、産業機器向けの64ビットMPU(超小型演算処理装置)「RZ/T2N」の発売・量産を開始した。高精度なリアルタイムモーター制御や産業イーサネット通信、アプリケーション処理の産業機器に必要な三つの機能を1チップに統合し、基板面積やBOM(部品表)コストの削減、システムの複雑さの低減により開発期間の短縮が可能だ。

 RZ/T2Nは、アプリケーション処理用となるArmの「Cortex-A55」(最大1.2GHz)のデュアルコアとリアルタイム処理用の「Cortex-R52」(最大800MHz)を2コア搭載した。「EtherCAT」や「PROFINET RT/IRT」などの主要な産業用イーサネットプロトコルとTSN(タイム・センシティブ・ネットワーキング)機能をサポートし、時刻同期が可能な次世代産業ネットワーク通信を実現。従来、複数チップで構成されることが多い多軸サーボドライブやプログラマブルロジックコントローラー(PLC)などの産業用機器に1チップで対応するため、システム構成をシンプル化できる。

 Coretex-R52ごとに576KBのエラー訂正機能(ECC)付き大容量密結合メモリー(TCM)を搭載したことで実行時間のばらつきを抑制し、高精度なモーター制御を実現する。スカラロボットやデルタロボットなどの産業用ロボットに1チップで対応できるよう、最大4軸のモーター制御が可能な周辺機能を搭載。モーターの回転速度などを計測するためのエンコーダインターフェースは、1軸あたり2チャネルを利用できる。

 三つのギガビットイーサネットMAC(GMAC)とイーサネットスイッチ、Ether CATサブデバイスコントローラーも搭載し、外部の通信用LSI(高密度集積回路)を用いずにコントローラーとデバイスの両側に対応した産業イーサネットを実装できる。「HSR(High-availability Seamless Redundancy)」や「PRP(Parallel Redundancy Protocol)」などの冗長ネットワークプロトコルにも対応。セキュリティー面では、暗号ライブラリやセキュアブートなどをサポートし、信頼性の高いネットワークやシステムを構築可能だ。