2020.07.07 JOGMEC広報誌が金賞、独立行政法人として初受賞 日本BtoB広告賞

吉野氏との対談を掲載した60号

金賞を受賞した4冊の広報誌金賞を受賞した4冊の広報誌

 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が発刊する広報誌「JOGMEC NEWS」が、産業広告分野において国内最大のコンテスト「2020日本BtoB広告賞」の「PR誌の部」で最高賞となる金賞を受賞した。独立行政法人の金賞受賞は初めてだという。

 同広告賞は、日本BtoB広告協会(東京都中央区)が主催して80年から開いているもので、今回が第41回目となる国内唯一のBtoB広告の総合コンテスト。新聞広告の部や入社案内の部など全13部門で、それぞれ金、銀、銅賞が1作品ずつ選ばれた。

 JOGMEC NEWSは同機構が発足した05年から発行。3カ月ごと(6月、9月、12月、3月)に出される季刊誌で、既に約60号が編集されている。資源やエネルギー分野のトピックスについて、分かりやすく伝えることをコンセプトとして情報発信を行い、表紙から写真をふんだんに使って視覚的に訴えているのが特徴だ。

 今回、受賞の対象となったのは、19年6月から20年3月に出された57-60号の4巻。

 58号は、国内に世界有数の資源量を持つ地熱を特集。59号は、国内で輸入が始まって以来50年を迎え、世界有数の輸入国となった液化天然ガス(LNG)を題材にした。

 さらに60号では、リチウムイオン電池の開発で19年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェローと、JOGMECの細野哲弘理事長の対談を掲載。吉野氏が研究哲学などについて語った。

 選考では審査委員が、「一般には、どうしても関心が持ちづらいテーマを前に、毎号工夫して分かりやすくひもとく編集方針」などを高く評価。ビジュアル面や読みやすさなどが総合的に好評だった。

 広報誌の企画は、JOGMEC広報課の職員3人が担当している。それに基づき、外部の制作会社と共同で写真撮影やデザインなどを進め、毎号3カ月ほどかけて編集。JOGMECが開催するイベントなどに合わせて企画のテーマを設定するという。

 広報課の編集責任者は「難しい単語をなるべく使わないようにしている。情報量とのバランスで難しさもあるが、イラストなども詰め込みすぎないようにして、シンプルに編集するように心がけている」といい、「地球環境問題などを意識しながら、誌面でどうアピールをしていくかを毎号、工夫している。関心が薄くても本来は身近なテーマが多い。受賞をきっかけに、広く関心が高まってほしい」と話している。