2020.07.10 【電波時評】災害への備え、空振りを恐れずに

 清流は赤茶けた濁流と化し、のどかな街や村は泥に覆われた。4日未明の記録的豪雨で熊本県南部の球磨川流域各地は甚大な被害を受けた。被災した人吉市は特産の焼酎と温泉で人気の観光地。上流部には「五木の子守唄」で知られる五木村もある。哀愁を帯びたメロディに聞き覚えがある人もいるだろう。コロナ禍の外出自粛を経て、これから行楽客を迎えようとしていた矢先だった。

 九州では3年前に九州北部豪雨が、2年前は西日本豪雨の被害を受けた。昨夏は佐賀県...  (つづく)