2020.07.14 希少金属トレーサビリティシステム構築へみんな電力がNPOとオンライン勉強会公開

みんな電力の大石社長も参加したオンライン勉強会

 新電力のみんな電力(東京都世田谷区)は、バッテリなどに使われる希少金属について、トレーサビリティ(生産履歴の管理)システムの構築を目指すプロジェクトを発足させた。第1弾として、途上国での児童労働問題などに取り組むNPO法人「ACE」(東京都台東区)と共同でオンライン勉強会を開いた。

 IT機器等に搭載されるリチウムイオン電池の主原料コバルトについては、採掘されるアフリカなどで、子どもたちが作業を強いられる児童労働等が社会問題化している。

 勉強会では、東京大学未来ビジョン研究センター講師の華井和代氏が「コバルトの責任ある調達と消費について考える」をテーマに、採掘現場の実情などを解説。世界最大の生産地であり、70%強のシェアがあるコンゴでは「企業が関わりにくい小規模な手掘り鉱山が深刻。取引が多い中国企業などが鍵を握っている」と説明した。

 みんな電力の大石英司社長は「多くの機器に含まれる希少金属にトレーサビリティをつけることで、フェアにしていく方法がある。まずは知ってもらうことに意義がある」と語り、プロジェクトを公開しながら進めていく方針を示した。

 プロジェクトにはNPO法人と共同で取り組み、今後、採掘現場やサプライチェーンの実態ほかを調査。同社のブロックチェーン技術などを応用してトレーサビリティプラットフォームの構築を検討する。

 さらに、電池メーカーと連携して、社会や環境に配慮した「エシカル」なバッテリ開発や普及を目指していく。