2020.07.14 タイで企業に太陽光発電無償提供ループが工業団地所有グループなどと

 新電力のLooop(ループ、東京都台東区)は、タイで企業の事業所の屋根や敷地などに太陽光発電設備を無償提供し、自家消費した電気料金などから収益を上げる事業に乗りだす。

 PPAと呼ばれる事業で、太陽光発電を広く普及させるモデルとして期待される。商社の日鉄物産(東京都港区)および、現地で六つの工業団地を持つロジャナ工業団地の子会社と共同で、合弁会社「RLNエナジー」をバンコクに設立した。

 ループによると、タイでは経済発展によって電力需要が伸びているため、88年から電力単価が上昇し続けているという。現在、東南アジアではタイの電気料金が最も高いとされる。一方、大気汚染問題なども浮上しており、タイ政府は再生可能エネルギー比率を36年までに30%に上げる目標を掲げている。

 新たな事業では、連携する工業団地に入居している中小企業などへの導入を目指す。初期負担がないため導入障壁が低く、地域の電力会社から供給される電気料金よりも割安にすることで、企業側もコストを削減できるメリットがある。

 ループは世界で200MW以上の太陽光発電所設置に携わった実績を生かし、発電量の予測や設置後のメンテナンスなどを担う。

 18年6月に同じく東南アジアのマレーシア、19年5月に中東のレバノンに現地法人を設立し、海外での自家消費型太陽光発電事業を展開している。4月には、海外の再生可能エネルギー発電所やエネルギー系ベンチャーへの投資に特化した共同ファンドの立ち上げも明らかにした。

 ループは「今後も再エネについての知見を生かして積極的に海外展開を進める」方針だ。