2020.07.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】 エレクトロニクス商社、多様な戦略で勝ち残りへ新規ビジネス創出など国内外で取り組み強化

エレクトロニクス商社は特徴ある商材を発掘し、独自の技術を加えて付加価値を高めるビジネスを強化している

中国製半導体もエレクトロニクス商社の重要な商材になってきた中国製半導体もエレクトロニクス商社の重要な商材になってきた

 エレクトロニクス商社は、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ世界経済の立ち直りが見えない中で、各社各様の事業戦略で勝ち残りをかける。

 マクニカは「Co.Tomorrowing」をスローガンに、最先端のテクノロジーとインテリジェンスをつなぎ、社会課題を解決できるサービス・ソリューションを提供する存在として、未来社会の発展に貢献する企業を目指す。

 丸文は、同社の国内外の幅広いネットワークを活用して独自の商材を発掘し、技術やアプリケーションを付加して価値を提供する。新たに米国オシア社とパートナーシップ契約を結び、無線技術を用いて同時に複数デバイスへ安全に電力供給することができる空間伝送型ワイヤレス給電技術「Cota」のライセンス提供サービスを開始した。

 菱電商事は、今年度から中期経営計画「ICHIGAN2024」をスタートした。戦略テーマは「環境・安心・安全でサスティナブルな社会の実現に貢献」とし、成長事業のビジネスモデル確立と次世代新規ビジネスの創出に取り組む。ZEBプランナーの登録、電気通信事業者の認可を受けた。

 東京エレクトロンデバイスは、25年3月期を目標年度とする新中期経営計画「VISION2025」を策定した。同中計では「技術商社機能を持つメーカー」として、データビジネス・サービスビジネス・ストックビジネスを利益源泉とし、ものづくりシステムメーカー、ODMメーカー、設計開発部門、高効率スマート工場を重点ポイントとするメーカーを目指す。

 立花エレテックは、八洲電機の子会社である八洲電子ソリューションズを子会社化し、社名を立花電子ソリューションズに変更し営業を開始した。これによりルネサスエレクトロニクス製品、日立パワーデバイス製品を中心に液晶モジュール、電池、センサー、受動部品など商材ラインアップの拡充による顧客満足度の向上、マーケットの拡大、相互の技術補完によるソリューション提案力の強化を図る。

 菱洋エレクトロは、技術力強化のため、スタイルズ(東京都千代田区、梶原稔尚社長)を子会社化した。スタイルズは、幅広いITシステムの開発から運用まで一貫して行うSI事業や情報システム業務の受託開発などを展開する。

 伯東は4月1日付で社長交代を行い、杉本龍三郎社長は取締役相談役(現相談役)に、新社長には阿部良二取締役常務執行役員が昇格、就任した。

 半導体事業では車載カメラ、監視カメラなど幅広い用途に高度なCMOSセンサーを供給するオムニビジョン(米)やメモリー系ではISSI(米)など特徴のあるデバイスを拡充している。

 岡本無線電機は、6月24日付で岡本崇義専務取締役営業統括本部長が代表取締役社長に昇格し、岡本弘社長は代表取締役会長に就いた。自動車、医療、エネルギーの3重点分野、IoTなどの成長市場に注力する。

 カナデンはタイの体制を強化し、これまでの2社に加えて調達や新規商材を発掘する現地法人「KANADEN TRADING(THAILAND)」(バンコク市)を設立した。

 飯田通商は、ASEANを強化している。シンガポール、タイ4拠点、フィリピン、マレーシア(クアラルンプール)に加えペナンとジョホール、ベトナムはホーチミンに新設。今年度は中国・大連に、来年度はハノイに拠点を設ける。EMS事業を中国(東莞)、タイ、ミャンマーで行っている。

 たけびしは、産業機器システム分野は半導体製造装置、衛生関連、電子部品実装機向けを中心としたFA機器、半導体・デバイス分野はセキュリティ関連などのODMビジネスやPC、駅務関連向けデバイスで伸ばす。

 グローセルは、ルネサスエレクトロニクスの先端製品を軸にしたデザイン活動により自動運転、IoT、スマートファクトリー、産業用ロボット、医療、建機分野など重点分野で「ワンストップソリューション」を強化していく。

 PALTEKは、5GやIoT関連ビジネスを加速し、FPGAを核に開発力の強みを発揮するとともにエッジAIソリューションも強化しながら取り組む。デザインサービスではODMを強化する。

 明光電子は、組込み技術や独自の商材で工場向けを中心とした産業用ソリューションを拡充している。SIRC社の「SIRCセンサ」を活用し、既設の機械式メーターに後付けでIoT化を実現する「IoT角度センサユニット」の普及に取り組んでいる。

 シナダインは通信、ヘルスケア、産業、計測、環境、車載、鉄道、航空宇宙など専門性が要求される用途分野を得意とする。新たに台湾Pasidal社製Thunderbolt3アクティブ光ケーブルの取り扱いを開始した。

 コアスタッフは、Web販売と従来型の営業を組み合わせたハイブリッド営業を強みに、事業拡大を続けている。

 リバウンドエレクトロニクスは、英国に本社を構える電子部品・半導体の独立系代理店。欧州を中心に拡大を続け、現在ではグローバルに事業を展開。19年6月に日本法人を設立し、グローバルネットワークを活用した日本の顧客に最適なサービスを提供する。

 エム・アールエフ(M・RF)は、高周波部品・機器の販売とコンサルタントを事業目的とする高周波の専門商社で、特徴を生かしたカスタマサービスには定評がある。

 ミカサ商事は、中期経営計画「Vision2020」を推進し、既存ビジネスを深掘りしてシェア拡大や、新たなビジネス創出を加速している。