2020.07.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】PALTEKFPGAを核に強み発揮

矢吹 社長

 PALTEKはソリューションサプライヤとして、付加価値の高い製品提供やソリューション開発を推進。通信・産業・医療分野を中心に半導体、デザインサービス、ソリューションの3事業を軸に据えて収益性の高い経営を目指している。

 20年12月期業績は売上高295億円、営業利益3億円、経常利益2億2千万円、当期純利益1億5千万円を見込む。矢吹尚秀社長は「20年12月期は新型コロナウイルス感染症の影響で、半導体部門はFA・放送機器向けなどが先行き不透明、デザインサービス部門は新規案件への投資が抑えられるなど、慎重に予測している。一方、5GやIoT関連ビジネスは加速し、当社もFPGAを核にした開発力の強みを発揮するとともに、エッジAIソリューションや自動車開発支援製品の提供なども強化しながら取り組む」と話す。

 今後展開される5G向けには、基地局や計測機器向けに半導体製品の販売を行う一方で、5Gに欠かせないエッジコンピューティングの高速化を実現するFPGAコンピューティングプラットフォーム「M-KUBOS」の開発やエッジAIソリューションの強化などを推し進める。

 エッジAIソリューションの一つとして、サイレックス・テクノロジー、デジタルメディアプロフェッショナルと共同で、農業機械や建設機械、搬送ロボット向けにAIによる安全・遠隔・自動化ソリューション開発を促進する車両AI評価キットを開発するなど、パートナー企業との連携を増強している。

 自動車向けの開発支援にも力を入れ、自動運転/EV開発用ハードウエアエミュレータなどの自社製品を開発する。そのほか、航空・宇宙向けに提供する映像配信システムも堅調に推移している。

 同社グループのエクスプローラでは、小型テスト信号発生器EMVG-4400シリーズの納入実績が、研究所をはじめ通信機メーカー、CATV事業者など多方面で伸長。準天頂衛星システム「みちびき」の測位補強サービスを用いた駐車場位置確認システムの開発などにも取り組んでいる。