2020.07.17 【半導体/エレクトロニクス商社特集】ミカサ商事3本柱の新事業で成長軌道へ

中西 社長

 ミカサ商事は23年度グループ売上高600億円、営業利益15億円とする新中期4カ年経営計画を策定した。

 4カ年で売上高を40億円増やし、営業利益率2・5%を確保できる事業構造に仕上げ、株式公開を目指す。

 中西日出喜社長は「一部メーカーの半導体取り扱いがなくなったこともあり、20年度を達成年度とする中期経営計画を見直し、20-23年度の4カ年経営計画を策定した。会社を成長させる準備はできてきた。売上げももちろん大事だが、しっかり利益の出せる会社を目指していく。モノからコト、ソリューションの提供へとビジネスモデルを展開していくことが重要だ。M&A、アライアンスなども積極的に進めていく」と話す。

 4月に水晶発振器用IC、低電力EEPROMを得意とするファブレスの半導体設計ベンチャーのインターチップ(千葉県白井市)を買収し、IoTセンサー用ICの開発を加速。5月末にはIoT事業を核に、エッジとクラウドをつなぐIoTオーケストレーションサービスを展開するウフル(東京都港区)に出資して、IoT支援ソフトウエアなどIoT支援ツールで連携を強化した。19年末に日本の販売代理権を取得した中国ダーファテクノロジーの防犯カメラ、ネットワークカメラと組み合わせたIoTソリューション提供にも力を入れ始めた。

 19年4月に包括的業務提携を結んだシステムギアホールディングス(大阪市中央区)とも経営統合も視野に入れながら、ベトナムと合わせて300人を超す技術によるシステム開発力、システムインテグレーション力と、ミカサ商事の創業70年余にわたって築いてきたのれん、国内外販売ネットワークを融合させて大手からの受注案件を増やす。

 IoTビジネスに加え、中国ダーファテクノロジーの防犯カメラ、ネットワークカメラを核にセキュリティ事業で3年後に十数億円、グーグルとクロームブックで開拓を進めている日本のGIGAスクール構想の文教市場ビジネスで年間100億円の売上げを目指し、3本柱の新事業で成長軌道に乗せる。