2020.07.30 【電子部品技術総合特集】自動運転車の開発動向レベル3の実用化始まる
自動運転車/完全自動運転車の実現に向けた技術開発が活発化している。海外では自動運転レベル3に対応した市販車の発表が一部で始まっており、日本でも自動運転関連の実証実験の動きが盛んだ。自動車の技術革新に合わせ、本格的な自動運転実現に向けた各国の法整備も進みつつある。
自動運転技術は、今後のモビリティ革命をけん引する代表的なメガトレンドの一つ。
自動運転車のレベルは、自動走行システムの性能によってレベル1からレベル5までの5段階に分類される。この中で本格的な自動運転車に位置付けられるのは「加速(アクセル)」「操舵(そうだ)(ハンドル)」「制動(ブレーキ)」の全ての操作を車両側システムが行う「自動運転レベル3」以上の車。
レベル3では、通常走行時は操作の全てを車側が行い、緊急時だけ人が操作する。このため、完全自動操舵システムや高精度な物体認識技術、V2X通信技術、3次元地図データなど、様々な自動運転支援技術の融合が必要。道路インフラ側の整備や各国での各種法整備も欠かせない。
自動運転車開発では、様々な情報を基に車自体が状況を正確に把握して適切な判断を下すため、「AI(人工知能)」や「ディープラーニング」の活用が重要。状況変化に瞬時に対応する高速応答のために「エッジコンピューティング技術」も肝要となる。
国内外の主要自動車メーカーは、20-21年前後を「自動運転車(レベル3)」の実用化目標時期に定め、技術開発にしのぎを削っている。
将来的には、高速道路などの限定領域内で運転操作の全てを車が行い、ドライバーは一切操作に関与しない「自動運転レベル4=高度運転自動化」が志向され、25年から30年ごろの実用化が業界のターゲットとされる。
最終的には、一般道も含めた全ての公道でドライバーが一切運転に関与しない「自動運転レベル5=完全自動運転化」が目標に掲げられている。