2020.08.31 【ソリューションプロバイダ特集】NECソリューションイノベータ 杉山清社長

20年度重点方針 成長領域拡大など掲げる

 新型コロナウイルスの感染拡大で、経済活動が停滞する影響を第1四半期に受けた。製造業や交通関係のプロジェクトが先送りされるなど、業種によっては厳しい展開となった。

 一方、金融や流通など止まらないインフラを支える案件は底堅く推移している。顧客企業にとって優先順位の高い案件については動き始めた。コロナを機に訪れた「ニューノーマル(新しい日常)」時代に新たな商機が広がるとみている。

 20年度の重点方針として、「NECグループの成長回帰への貢献」「成長領域の拡大」「自主事業の収益拡大」を掲げた。成長領域の拡大に向けては、「DXビジネスの育成」と「ITモダナイゼーションの加速」に取り組んでいる。

 DXビジネスでは、デジタル化ニーズをキャッチアップし、変化する市場に新しい価値を提供したい。ターゲットの一つが政府や自治体などの公共分野だ。住民サービスを提供する行政のフロント領域はデジタル技術で改善する余地が多く残されており、そこを支援したい。こうした取り組みでNECグループ内での横の連携も強化したい。

 自主事業の収益拡大に向けては、DXを支援するソリューションをまとめた「DXアジェンダ」をマーケティングに生かしているほか、オンラインで契約まで完結する営業活動にも力を入れる。

 ソリューションの展開では3月に、テレワークの勤怠管理など働き方改革の様々なテーマの実現を支援する「NEC 働き方見える化サービス Plus」を立ち上げた。今夏からは、観光事業者の活動を後押ししようと、ツアー販売業務をデジタル化するサービス「NEC ガイド予約支援」を無償提供。さらにJTBと連携して、ホテルの遊休スペースを活用したシェアオフィス事業にも乗り出した。

 当社らしい新しい働き方をデザインするため、社内横断プロジェクトを6月に編成した。「業務プロセス」「IT活用」「オフィス」「人事・勤労制度」「パートナーとの関係」など、多彩なテーマを設定し議論している。