2020.09.01 【防災の日特集】高性能アルカリ乾電池訴求長期保存や安全性を重視
長期保存などを前面に出す電池売り場
防災シーズンを前に電池メーカー各社は、長期保存や安全性を重視した高性能アルカリ電池を訴求している。高性能モデルは液漏れ防止性能が飛躍的に上がって、長持ち性能も高く安心して使えるのが特徴だ。これからの台風シーズンを前に防災の観点から、乾電池を確保する需要も増えてきている。現在、国内主要メーカーの乾電池は高性能と高品質を前面に出し、備蓄を想定した提案を進めている。
一般的に乾電池を使う製品はリモコンのほか、ワイヤレスマウス、掛け時計や置き時計などが多い。理美容関連では携帯用電動歯ブラシ、携帯用のシェーバー、電動血圧計なども乾電池で動く。ビジネス用途では、電子辞書やICレコーダといった電子機器も乾電池を使うため、電池の需要は底堅い。
その中でも、これから本格的に訪れる台風シーズンに乾電池は欠かせない存在だ。防災対策として求められる懐中電灯や携帯ラジオなども電池が必要になっており、売り場では懐中電灯などは電池とセットにした提案も進んでいる。
この数年、豪雨などの発生が全国的に多発している。こうした背景からメーカーや流通各社は防災などをキーワードにした売り場づくりをしているほか、電池の買い忘れなどを起こさないコーナーづくりをしている。
最近の乾電池市場は国内メーカーのほか、中国など海外メーカーの製品や海外メーカー製品のOEM(相手先ブランドによる生産)製品なども増えて、市場競争は激しい。その中で国内電池メーカー各社は安心・安全をキーワードに長期保存に対応するほか、液漏れ防止など安全性にも配慮している。
ただ、こうした提案に対しても、一般消費者への認知度は道半ば。長期保存や高品質の訴求に加え、今後は電池の正しい使い方を伝えていくことも求められるだろう。
防災に向けては長期保存できることだけでは不十分だ。液漏れなどのトラブルを防ぐためにも正しい備蓄が必要になる。FDKは日本気象協会とコラボし、電池を使いながら備蓄していく「ローリングストック」を訴求している。いざ使おうとした際に液漏れしていては元も子もないからだ。
こうした啓もう活動も引き続き地道に進める必要がある。また電池メーカー各社はLEDライトの製品群も拡充している。防災関連製品として電池と合わせて訴求していく構えでいる。