2020.09.18 【ASEAN特集】ニチコン筋肉体質にし幅広い需要に応える
ニチコン(マレーシア)の外観
ニチコンは、マレーシアにアルミ電解コンデンサの基幹工場「ニチコン マレーシア」(セランゴール州バンギ工業団地)を持つ。
ASEAN、欧米への供給拠点として規模を拡大。来年、設立30周年を迎える。現在、基板自立形(20-35φ)、チップ形(4-10φ)、リード線形(4-18φ)のアルミ電解コンデンサを生産。マザー工場のニチコン大野、ニチコン大野第3工場、ニチコン岩手、中国・無錫工場と連携してグローバル供給体制を確立している。
久保範晃代表取締役工場長は「新型コロナ感染症拡大で3月に活動制限令が発令され、操業を停止したが、特別操業許可を取得でき4月から50%の人員で生産を再開。5月から100%の人員でフル生産に入り、7月は過去最高の稼働率で、8月には操業停止の影響を解消できた。現在は通常稼働だ。先行きが見通しにくい状況だが自動化、省力化、省人化、ゼロディフェクトに引き続き取り組み、筋肉体質にしてエアコン、テレビ、電源、自動車など幅広い需要にしっかり応えていく。これまで行ってきた投資が真に生きる年にしたい」と話す。
▽購入資材を主体にした徹底的なコストダウンの推進▽計画的に設置を進めてきたコージェネレーションチラー設備の稼働による20%の電力削減▽自動一貫生産ラインの分割やつなぎ替えによる小ロット、短リードタイム対応▽人に頼らない検査体制の運用強化、帳票類を含めた人手作業の電子化、IT化の推進▽30%以上の省人化生産体制の確立--などに取り組む。
基板自立形生産ラインは、部分自動化も含めて90%自動化を完了した。車載用チップ形は、防じんルームで傾向管理生産やカメラによる自動検査、電極箔と端子の接続方法変更による高品質化、定期交換サイクルの短縮などで品質、生産性を向上させた。現在チップ形の車載比率25%の半分を防じんルームで生産している。昨年、電気自動車に続き、構内に20kW出力太陽光発電システム、蓄電システム、急速充電器を設置し、電源応用機器のNECST製品の提案営業に活用している。