2020.09.18 【ASEAN特集】トーキン競争力の高い生産拠点へ工場運営
ベトナム工場外観
トーキンは、ASEANにおける生産拠点として、97年、ベトナム・ホーチミン近郊にトーキンエレクトロニクス(ベトナム)を設立した。ノイズ対策部品といった巻線応用部品のグローバル生産基地として成長を続けている。
ベトナム工場の敷地面積は2万3360平方メートル、建屋延べ面積は1万6386平方メートル。従業員数は1382人(3月30日現在)。
一方、94年に中国で設立されたトーキンエレクトロニクス(厦門)は、磁性材料から巻線応用部品まで一貫生産しており、巻線応用部品をグローバルに供給する量産拠点としての重要な役割を担っている拠点といえる。
ベトナム工場で量産しているノイズ対策部品や、ラインフィルタ、メタル系パワーインダクタで使用するコアの多くを厦門工場から調達。厦門工場とベトナム工場の連携が巻線応用部品事業の業績を押し上げている。NFCアンテナやセンサーなども生産する。
新型コロナウイルス環境下での工場運営については「ベトナム国内で感染が拡大した5月には生産確保および社内での感染拡大防止のため、隔離された事務所、生産ラインを設置して急場をしのいだ経験もある。政府による規制の状況を見守りながら必要な対策を施して通常レベルの生産体制を維持してきた。今後も臨機応変に対応し、コロナ環境下でも競争力の高い生産拠点として工場を運営していく」(レーバー・クイ社長)としている。
具体的な生産の推移は「コロナの影響を懸念していたが、第1四半期(4-6月)はPC関連、ゲーム機向けなどの受注が増え、前年同期に比べて9%の伸びを確保」(クイ社長)と健闘。
今後の成長戦略について、クイ社長は「METCOMと車載用ラインフィルタの主力工場として生産体制を広げていくほか、新製品のノイズフィルタの生産規模を拡大していく。さらに、KEMETのデジタルツールを活用した小口販売〝ロングテール〟向けの製品を拡充する」と方向性を示した。