2020.09.25 【九州・山口産業特集】日米電子「NB-LPN」製品化

 日米電子(福岡市中央区、湯浅米男社長)は、多様なデータを集めて意思決定に必要な情報を「見える化」する「NB-LPN」を製品化し、販売開始する。LPWAを採用した電池駆動の小型装置で、NTTドコモのパケット通信を採用することにより、LoRaWAN・Sigfoxなどに比べ、通信制限にとらわれることなく広範囲に安定した通信ができる。

 近年自然災害によるリスクが増加傾向にあり、災害の状況把握が難しくなっている中で、河川、ダム、ため池の水位や雨量、土砂崩れの予兆を監視したり、農業分野では飼料タンクや家畜にセンサーやGPSを取り付けることで、飼料の残量測定や牛や鶏の位置を把握したりすることができる。

 また、同社は、以前より車両動態管理システム「D-NAS」を開発。以来、同システムを中心に大きな成果を上げてきたノウハウを生かし、「物流」「車両」分野のさらなる「見える化」はもちろん、設備保守、見守り介護などの「見える化」にも対応していく。

 「NB-LPN」に必要な機器は、親機と子機とセンサーユニットのみ。あとはインターネットに接続できるPCやスマートフォンがあれば、状況把握が可能になる。

 電源は電池・DC/ACアダプタなど様々な用途に合わせて選択が可能。使用状況によって異なるが、単3電池4本で約1カ月以上持ち、太陽光パネルを併用することでメンテナンスフリーによる長時間運用が可能となるメリットもある。

 今後のIoT・ICTへの展開でインフラソリューション事業本部の山田秀憲副本部長は「あらゆる業態への採用が可能な商品をより多くのお客さまに提供できるようにしたい。さらには部品提供によるOEMも視野に入れている」と、全社的な目玉として事業を推進しようとしている。