2020.09.30 【電波新聞70周年特集】日本半導体商社協会・大西利樹会長さらなる協力関係の構築を期待
大西 会長
70周年を迎えられたこと、心よりお歓びを申し上げます。
日本半導体商社協会(DAFS)の前身「外国系半導体商社協会」は1988年に設立されました。このころは日本の半導体の力が強く、世界のマーケットシェアは50%を超える勢いで、当時の景気情勢・為替などの影響も相まって、いわゆる「ジャパンバッシング」現象が巻き起こっていました。
この摩擦は半導体に飛び火。当時7%だった外国製半導体のシェアを20%にしてほしいとの米国からの要請に応える形で、外国製半導体の採用増に向かって歩み始めました。
当時の通産省から外国製半導体を主に販売している商社が集まって協会を創設し、外国系半導体の販売をさらに伸ばす一助としてほしいとの依頼があり、50社強の商社でDAFSが設立されました。エンドユーザーでは外国製は使いたくないという雰囲気もありましたが、潮目が変わり徐々に海外製ICが採用され始めました。
これらの影響や大市場である海外に目を向けられなかったこともあり、日本製半導体はその後勢力を落とします。現在、国内での海外製品シェアは50%以上。80年代とは隔世の感があるとともに一抹の寂しさを感じます。
新型コロナ禍を経験して働き方改革が提唱される中、DAFSおよび会員は発想の転換が必須になっています。撤退を余儀なくされた分野ではなく、新しい分野に力を注ぐ努力が必要でしょう。
例えば、健康管理分野で血圧、脈拍センサーを衣類に縫い込んで単機能だが安価に提供する、あるいは、コロナ禍で新たに必要とされてきた機能をモジュール化して供給することなどが考えられます。全世界の半導体の販売に携わる強みを生かし、産学連携で電機業界に幅広く提案していくことを会員と共に進めていきます。
最後に、電機業界で経験豊かな電波新聞社とは、あらゆる機会を通じてさらなる協力関係を構築できるよう期待しています。