2020.10.14 量子コンピューティング実現へ富士通、各研究機関と共同で
富士通研究所は、理化学研究所、東京大学、大阪大学、オランダのデルフト工科大学と、量子コンピューティングの実現に向け、デバイスレベルから制御システム、アーキテクチャ、アルゴリズムに至る全ての技術レイヤーで共同研究を開始する。各研究機関と研究を中長期的に推進し、創薬、材料、金融分野にとどまらず、様々な分野での適用を目指す。
量子コンピュータは、0と1の両方の状態を同時に扱うことができる量子ビットを利用することにより、多くの計算を並列、かつ高速で実行可能な新しいコンピュータとして実用化が期待されている。しかし、先行している超伝導チップを用いた方式でも、現状は50ビット程度のシステム規模にとどまっている。
このため、ハード領域では量子ビット数の増加、量子ビット情報を保持可能な時間(コヒーレント時間)の向上、制御システムの改善など、様々な技術の向上が求められている。また、短いコヒーレント時間でも計算可能なアルゴリズムを開発するなど、ソフト領域においても画期的な技術革新が期待されている。
同社では今後、量子コンピューティングの全ての技術レイヤーで、各研究機関と共同研究を行い、そこで培った技術を発展させることで、将来的に誤り耐性を持つ量子コンピューティングの実用化を目指す。