2020.10.16 【九州・山口版】オール電化・リフォームに取り組む地域電器店でんきのおおむら(熊本市北区)大村正二社長
顧客訪問を生かして商品提案を行うでんきのおおむら
地道な訪問で需要掘り起こす
日立チェーンストールのでんきのおおむら(熊本市北区)は、顧客との接点活動を通じてオール電化・リフォームの成約につなげている。顧客訪問の際にトイレを借りることで、便器、洗面台、洗濯機などの機種や経年を確認し、買い替えを提案する。顧客宅に気軽に上がることができる地域電器店の強みを生かす。
前社長の大村信夫氏は「リフォームやオール電化は提案してからすぐに売れる商品ではない。複数回の訪問を通じて地道に需要を掘り起こす必要がある」と話す。顧客との間でリフォームの話題が出てから、成約まで半年かかることもあるという。9-11月は来年に向けた需要発掘のため、チラシ配りにも力を入れる。
昨年のオール電化商品の販売実績は、IHクッキングヒーターが7台、エコキュートが8台。エアコン工事などが忙しかった影響で目標台数に届かなかった。
今年は8月末までにIHを6台、エコキュートを7台販売した。全体の売上げも9月までに1千万円を超えるなど、前年以上に好調だ。ほとんどが故障による買い替えで、他熱源転換は1件のみだった。
オール電化を収益の柱に
オール電化は、全て自前で工事を行っているため収益率が高い。現在はリフォームとオール電化を合わせて売上げ構成比の20%を占めているが、今後は25%を目指す。前社長は「家電製品は価格の上昇のほか、少子化によって複数買いも少なくなったことから、今後はリフォームやオール電化も力を入れて訴求する必要がある」と語った。
同店は1977年創業。前社長と社長の大村正二氏を含め3人で経営している。店内の広さは約50平方メートル。
営業活動は正二社長に任せているが、前社長を頼りにして相談に来る顧客も多いという。また、同店は個人の顧客だけでなく、病院や事務所向けにテレビや照明の販売も行っている。