2021.01.01 電流密度4.6×10⁴A/平方センチメートルで磁化反転東大の研究グループがGaMnAs単一薄膜で成功

垂直方向に磁化した強磁性半導体GaMnAsの単層の薄膜に極低電流密度の電流を流した際の磁化の様子。Mnの不均一分布に起因して、電流は薄膜の表面近くの方が流れやすい

 東京大学大学院工学系研究科のJiang Miao(姜淼)特任研究員、大矢忍准教授、田中雅明教授のグループは、強磁性半導体GaMnAsの単一薄膜を用いて、電流を流すことによって生じる力「スピン軌道トルク」を利用し、世界最小の電流密度4.6×10⁴A/平方センチメートルで磁化反転に成功した。金属多層膜におけるスピン軌道トルクによる磁化反転で必要とされる電流密度よりも3桁程度小さな値となる。

 現在、強磁性体の電子のスピン自由度を用...  (つづく)