2021.02.12 コロナ接触確認アプリ不具合で技術支援に意欲平井デジタル改革担当相、多重構造見直しも
平井卓也デジタル改革担当相は12日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマートフォン向けアプリ「COCOA(ココア)」の不具合に触れ、「ココアが正常に機能するように手伝うことを一義にしたい」と述べた。厚生労働省が推奨してきたココアの立て直しに向けて、技術的なサポートに注力する考えを示した。
会見で平井氏は「当初考えていたココアの機能が発揮できるようなところまでやりたい」とも強調。内閣官房IT総合戦略室によると、既に不具合の原因究明に向けた技術支援に乗り出しているという。
平井氏は状況次第で、「デジタル庁でスクラッチで議論を始めて作るという方がいい」とも提言。選択肢の一つとして、IT総合戦略室自ら予算を確保してアプリを開発することにも意欲を示した。
さらに、IT業界に根付いてきた「多重下請け構造」を見直す必要性についても力説。「デジタル庁を創設した目的の一つは発注能力を高めること。多重構造でない発注の仕方を最終的に目指す」と述べた。デジタル庁が構造見直しの旗振り役として「プロジェクトマネジメント」を担うという認識を示した形だ。
政府は、コロナ感染拡大防止の一環で昨年6月からココアの配信を始めた。ココアは、米グーグルと米アップルが共同開発したAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を用いるアプリ。厚労省によると、iPhoneとAndroid(アンドロイド)版があり、ダウンロード総数は約2500万件に達している。
不具合は、昨年9月のバージョンアップに伴いアンドロイド版で発生し、接触情報が通知されていないことが判明した。厚労省は、2月中旬までに障害を解消する方針を示している。