2021.03.18 【九州・山口産業特集】創ネットセルラー通信式浸水検知センサーに力
小口 社長
オートメーションを中核にネットワークで企業と人をつなぐ電子部品商社の創ネット(福岡市博多区)は、時代に即した地域に貢献できる製品とサービスを提案している。
最近は3月に発売された亀岡電子のLINEで浸水情報を知らせるセルラー通信式浸水検知センサー「KAMEKER3」の販売店契約を結び、力を入れている。
KAMEKER3は、センサーが浸水を検知するとLINEでプッシュ通知するとともに、地図上の設置場所のピン表示が赤に変わり、浸水状況を見える化する。
通知を受ける側はLINEで友だちに追加し、浸水アラートマップに接続。地図上で確認したい場所のセンサーを選んでONにするだけと操作は簡単。通信は4G LTEネットワーク(KDDI)、電源は市販の電池を使うため、電源やネットワークの配線工事は不要で、低コストで設置が可能だ。
近年は豪雨や台風など水害の発生リスクが全国で高まる一方で、災害時の初動対応や見回りへの人員不足も懸念されている。予算の都合などで今まで付けていなかった場所へ安価なセンサーを設置することで、身近な場所の浸水状況がいち早く分かり、避難経路の選択にも役立つ。
九州をはじめ全国の自治体や自治会へ導入拡大を目指しており、創ネットではデモ機も用意している。KAMEKER3は自治体など公共向けで、マップの範囲を小さく簡略化した企業・一般向けの「KAMEKER-FA」も発売している。
小口幸士社長は「温暖化が進む中で、水害への対策はより重要になってくる」と、工場などのBCP(事業継続計画)対策としても注目している。
創ネットは、納品の際の現品票にバーコードを印刷、タイプレスで入庫管理できる。15年から実施していたが、最近になって認知されてきたという。社内DXやセキュリティなど、顧客の業務効率を上げるサポートも、自社事例の紹介を交えながら訴求していく。