2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】立花エレテック通常月の1.8倍の在庫で対応

高見 専務

 立花エレテックは、9月に創立100周年を迎える。1921年(大正10年)、立花訓光氏が大阪市で電気関係製品卸売業と電気工事業の個人商店として創業した。以来、技術商社を掲げ、80周年の2001年に現社名に変更。電機・電子技術商社のリーディングカンパニーとして事業を拡大してきた。

 半導体デバイスも1976年から取り扱いを始め、今年で45年となる。FAシステム事業、施設事業とともに同社の成長をけん引している。

 20年度は新型コロナ感染症拡大の影響で同社の他事業が減収減益となる中、半導体デバイス事業は昨年夏以降、市況が回復し、増収減益で業績を下支えした。21年度は旺盛な需要により業績のさらなる伸長を見込む。

 高見貞行取締役専務執行役員半導体デバイス事業担当は「昨年夏以降、半導体デバイスの需要が急速に回復。特に空調向けが良かった。中国を含むアジアの需要の劇的な回復や、昨年4月に子会社化した立花電子ソリューションズ、国内子会社の業績も寄与した。21年度に入っても受注の高原状態が続き、需給はひっ迫している。今年いっぱいは今の状態が続くと見ている。22年は不透明だが、どんな状態になっても顧客の要望にしっかり応えていく」と強調。

 このため、今後も継続した需要が見込める品種を中心に在庫を積み増し、通常月の1.8倍の在庫で需要に対応している。需要増に追い付かないものは必要最低限の数の確保、供給に全力を挙げる。自社でソフト開発できるマイコンは積極的に代替提案を行う。一昨年から注力している電源やセンサー関連のアナログ系デバイスもアナログ系エンジニアを増員しながら拡販していく。

 創立100周年に向けた中長期6カ年経営計画「C・C・J2200」(15~20年度)で掲げた連結売上高2200億円は、新型コロナ感染症拡大の影響から秋口にも発表予定の新中期5カ年経営計画(21~25年度)の中で達成を目指す。社員一人一人が実行力、実現力を高めることで組織として最大の力を発揮する体質改善プロジェクト「C・A・P・UP」に継続して取り組んでいく。