2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】たけびし東南アジアビジネス拡大へ

小倉 社長

 たけびしは6月4日付で、シンガポールで電子部品・機器販売を行うLe Champ(South East Asia)Pte Ltdを子会社化した。今年度はLe Champを中心とした東南アジアビジネスの拡大などで、コロナ前を上回る成長路線へシフトする。小倉勇社長は「Le Champは第2四半期から売り上げの実績となる。シナジーを大きく出し、お互いの特徴を生かしながら展開する」と話す。

 Le Champは東南アジアなど8カ国14拠点に展開。約600社の顧客基盤と日本などのメーカー約200社の仕入れ先を持つ。売上高は2019年12月期で109億円。20年12月期は100億円に届かなかったが、21年12月期は100億円強を見込む。代表は田村裕明氏。

 Le Champは中国のほか、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア、インドに拠点を持つ。日系の取引先はなく、電子部品の販売がメーンだ。「当社の領域とあまりかぶらない。相互のシナジーを発揮できる。当面の活動は別々に取り組み、お互いの特徴を伸ばしたい」と小倉社長。これらの取り組みで22年度に海外売り上げ250億円、海外売り上げ比率25%を目指す。

 また、売り上げ拡大のために製造現場の自動化ビジネスを推進。昨年10月にスマートファクトリー推進グループを設立し、本社や各拠点の装置ビジネスのキーマンから成る組織を編成した。情報共有や拡販支援を進め、自動化ビジネスで22年度に70億円を計画する。

 足元の状況は堅調で、当面はこれまでのペースを維持する見込み。産業機器システムではFA機器が台湾・中国向けの半導体製造装置関連で好調。社会・情報通信では5G関連でスマホ販売や基地局設計が順調という。

 この状況下だが、2年ぶりに総合展示会「たけびしフェア」を今月中旬の2日間、本社で開催した。検温や人数カウント、事前予約による来場制限など感染防止策を徹底。空気清浄機などを稼働させながら製品をアピールした。小倉社長は「社員の思いが詰まった展示会。安全対策も施したが、思いが伝わる会になったのでは」と述べた。