2021.09.24 【九州・山口産業特集】半導体関連産業など国内有数の生産拠点
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング長崎テクノロジーセンター
人口や面積、輸出額、域内総生産額など、経済的な指標がおおむね全国の10%程度であることから、九州の経済規模は「1割経済」と言われる。その中でICの生産金額が全国比43.1%の半導体関連産業や、年間154万台の生産能力を持つ自動車産業は集積が進み、国内でも有数の生産拠点となっている。コロナ禍で自動化、非接触などが注目される中、各県でDX化やIoTに取り組む企業の支援や誘致も盛んだ。
九州経済産業局発表の7月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)は104.8で、前月比1.8%増と2カ月連続上昇、前年同月比も14.1%増と5カ月連続で上昇し、基調判断は前月同様「生産は持ち直している」とした。
半導体製造装置や産業用ロボットなど汎用(はんよう)・生産用・業務用機械工業は前月比20.9%増、半導体集積回路など電子部品・デバイス工業は同6.7%増と上昇している。
コロナ禍もあって新規進出は少ないが、博多と長崎を結ぶ西九州新幹線は長崎駅(長崎市)と武雄温泉駅(佐賀県武雄市)間が22年秋開業の見込みで、長崎市には富士フイルムソフトウエアやデンソーウェーブなどの開発拠点が進出している。長崎県諫早市のソニーセミコンダクタマニュファクチャリング長崎テクノロジーセンターでは、敷地内に増設した「Fab5」が4月から稼働、スマートフォン向けのCMOSイメージセンサーの生産拠点として拡充されている。同社は熊本県菊陽町の熊本テクノロジーセンターでも、隣接する整備中の工業団地で用地取得を表明。このほか、熊本県では県南地域でIT企業の進出が相次いでいる。