2022.01.17 4周波数帯対応で世界最小の衛星測位端末用アンテナ三菱電機が開発に成功
4周波数帯対応衛星測位端末用アンテナの試作機
最近のエレクトロニクス業界では、GNSS(全地球衛星測位システム)関連の技術開発が活発化している。GNSSは、米国GPS、日本の準天頂衛星システム(QZSS)、ロシアのGLONASS(グロナス)、欧州のガリレオなどの各国の衛星測位システムの総称。将来の自動運転に不可欠な技術として重要視されている。
そうした中で、三菱電機は17日、4周波数帯に対応した世界最小の高精度衛星測位端末用アンテナを開発したと発表した。小型化によりさまざまな移動体機器に搭載でき、自動運転など高精度測位情報の利用拡大への貢献が期待される。
開発したのは、準天頂衛星システムなどの衛星測位サービスに対応する4周波数帯対応の高精度衛星測位端末用アンテナ。世界の主要な衛星測位システムと測位補強サービスに対応する。同社は測位端末用小型アンテナを2018年に製品化し、その後、同アンテナの小型・高性能化に向けた技術開発を進めてきた。
今回開発したアンテナは、水平面に垂直に配置した四つの樹脂成型品の側面と天面に、二つの折り曲げ線状アンテナ素子を樹脂成形品間で対称になるよう配線し、アンテナ素子配線を立体化。この独自アンテナ小型化技術により、4周波数帯対応の高精度衛星測位端末用アンテナとして世界最小を実現した。
加えて、直線状とループ状のアンテナ素子を組み合わせた独自のアンテナ構造により、測位精度を劣化させるマルチパス波(地面からの反射波)の抑制を実現した。
アンテナサイズ(筐体込み)は、水平面59×59ミリメートル、高さ33ミリメートル。アンテナ背面方向へのバックローブ放射を低減した4周波数帯対応の高精度衛星測位端末用アンテナでは世界最小サイズとなる。
(1月18日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します。)