2022.02.22 ガソリン値上がり止まらず抑制補助、上限を継続
給油所では価格の値上がりを懸念する声が聞かれた
「支給増額、そのまま抑制に効果」と分析
国内のガソリン価格の値上がりに歯止めがかからない。資源エネルギー庁は16日、全国のレギュラー平均小売価格が14日の調査で前週比0.2円高の171.4円だったと発表。17日以降に支給される価格抑制補助金も上限に相当する1リットル当たり5円を継続するという。産油国が絡むウクライナ情勢の緊迫度が増しており、先行きは不透明なままだ。
14日調査の結果は、6週続けての値上がり。1月下旬に価格上昇抑制の対策として石油元売りなどに補助支給を始めて以降でも、3週連続で値上がりとなった。補助上限額での支給は2週連続。
エネ庁は、世界的な原油価格の上昇度合いなどを勘案すると14日の調査では175.2円になると予測されたことから、3.8円の抑制効果があったとみる。
エネ庁が公表する全国平均価格は1月3日調査の164.7円から上昇を続け、3週間後の同月24日調査で170円台に乗った。
ただ、補助支給を開始してからの3週間は1.2円ほどの値上がりにとどまっている。エネ庁石油流通課の分析では、支給による抑制効果は1月31日調査分で2.5円、2月7日調査でも2.5円あったとみられ、今回14日分の3.8円は、これまでで最も効果が出た結果となった。
同課は、支給額を1リットル当たり3.7円から5円に増額した効果だとみて、「支給した分が、そのまま抑制額に反映されている」と指摘する。
だが、調査を担う石油情報センター(東京都中央区)によると、都道府県別でレギュラー価格が最も高かった鹿児島県では前週比1.1円高の179.7円。次ぐ長崎県でも同0.7円高の179円と、地域によっては厳しさが増す。
同センターの担当者は「依然として原油価格が高い水準で推移している。国の補助を最大限に支給してもそれを上回って原油が値上がりし、元売りなどの卸価格も上がっている」と話す。21日に予定する調査でも、全国平均価格が0.5円以上上がる可能性が高いとみている。
給油所では懸念の声も
東京都内の中堅の特約店が経営する給油所では18日、160円半ばの価格で販売していた。男性スタッフは「現金で支払う個人客が多く、170円超にせざるを得なくなればかなり影響が出るだろう。個人経営の給油所はもっと厳しいはず」と漏らす。
政府は10日に松野博一官房長官の下で関係閣僚会合を開き、追加的な対策などについて検討を始めた。エネ庁では、価格抑制補助金支給開始後も大きく値上げを続ける給油所などへの個別の現地調査を15日から進め、周知活動にも取り組んでいる。
「ウクライナ情勢などを見極めながら、追加策を検討していく」(エネ庁石油流通課)。