2022.03.09 【産業用ロボット特集】クリエイティブテクノロジー電源ケーブルレスの静電チャック提案

繊細な対象物も吸着把持できる静電チャックと、ロボットとのセット販売を開始

 クリエイティブテクノロジー(川崎市高津区)は、同社のコア技術である静電チャックの提案に注力。バキューム搬送では把持(はじ)が困難な、布や金属箔といった柔らかく繊細な対象物、軽くつぶれやすい立体的な紙風船などの対象物も吸着搬送できるのが強みだ。

 同社は超硬材などの難切削の切削加工を主要業務として1985年に設立、90年代にセラミック加工技術で半導体業界に進出した。

 現在は静電チャックの開発・製造などを手掛け、川崎市の本社を中心に宮崎県、滋賀県、三重県、熊本県、岩手県に拠点を持つほか、韓国、台湾、米国、シンガポール、中国、ドイツにもグループ会社がある。

 同社は電源ケーブルレスの静電チャック「静電キャリアシステム」を提案する。電源供給がない環境でも、対象物を吸着維持しながらの移動や、大気と真空の行き来も可能。吸着耐久力が強く、高速移動や高速回転での使用にも適している。

 さらに、韓国のロボットメーカー、ゼウスのロボットと静電チャックをセットで提供開始する。顧客からロボットも一緒に提供してほしいという要望が多くあったことから、手頃な価格でのセット販売を始めた。従来通り、静電チャックのみの提供も並行して進める。

 「Ion Pad(イオンパッド)」も好評を得ている。特殊樹脂コーティングとベース基材から成り、対象物との界面に分子間力を発現させ、対象物を把持する機器だ。同社によると他社にはない製品で、注目度が高い。モバイルデバイスの製造工程などで採用されている。

 歩留まりの改善に効果的な「パーティクルコレクター」も引き合いが多い製品の一つ。フレキシブルな設置が可能で、製造ラインのほこりなどをナノからミリメートル単位で吸着・除去する。大気中やクリーンルーム、真空環境など、さまざまなユースケースに対応する。