2022.05.24 不適切検査、昭和四日市も出光興産グループ 3年以上前から

 石油元売り大手、出光興産の子会社が石油製品について不適切な品質検査をしていた問題で、出光興産は20日、別の子会社である昭和四日市石油(三重県四日市市)の四日市製油所(同)でも、船舶用の重油などで不適切な検査が確認されたと発表した。少なくとも3年以上前から続いていたという。出荷した製品は安全上、問題がないことを確認している。

 出光興産が6日に東亜石油(川崎市川崎区)での不適切検査を公表して以降、グループ全製油所で実施した点検調査で発覚した。

 四日市製油所では、重油がアルカリ性か中性であることを確認する品質検査において、法律に定められた試験方法とは違うやり方で確認していた。道路舗装用や屋根の防水工事用のアスファルトなど計13製品で、義務付けられた方法を逸脱していたり、手順を簡素化したりして不適切な検査を行っていたという。

 会見した出光興産の澤正彦上席執行役員は「ほかのグループ製油所、事業所では不適切行為はないと確認している」と話した。

 この問題を巡っては、東亜石油が18日、原因究明などを行う特別調査委員会を設置した。弁護士やシンクタンク研究員の外部専門家に、同社の独立社外取締役を加えた3人体制で、社内での聞き取りなどの調査を進め、再発防止策の策定や提言などを行う。「当社と利害関係がなく、客観性が確保できる人選をした」(経営管理部)。

 昭和四日市石油でも同様の調査委員会を立ち上げており、調査結果はいずれも公表することにしている。