2022.06.15 AIでトマト営農支援NECとカゴメが新会社設立
収穫時のトマト
NECと食品大手のカゴメ(名古屋市)は15日、人工知能(AI)を活用して加工用トマトの営農支援を行う合弁会社を7月に立ち上げると発表した。カゴメのトマト営農の知見と、NECのAI技術を融合させ、欧州や米国、豪州で事業に着手。将来的には日本でも展開したい考え。2026年までに売り上げ30億円を目指す。
新会社名は「DXAS Agricultural Technology(ディクサス アグリカルチュラル テクノロジー)」で、ポルトガルに設立する。資本金は3億円相当ユーロ、株主比率はカゴメ66.6%、NEC33.4%。CEOには現カゴメスマートアグリ事業部長の中田健吾氏が就任する。
両社は2015年からAIを活用した営農アドバイスや事業検証を手掛けてきた。20年4月には戦略的パートナーシップ契約を締結し、NECの農業ICT基盤「CropScope(クロップスコープ)」を活用して営農支援事業のマーケティングの研究などにも取り組んできた。
合弁会社の設立により、AIとかんがい設備を連携させ営農作業を効率化し、トマト加工会社や生産者の負荷軽減を図るほか、作物生育に重要となる土づくりから収穫までの栽培手法を改善し収益性の高い営農支援をサービスの提供を目指す。
トマト生産農家に向けては、熟練者のノウハウを習得したAIが、環境に優しく収益性の高い営農方法についてアドバイスするほか、センサーや衛星写真を活用して農場の状況を「見える化」し、迅速な異常検知やデータに基づく指導につなげる。(詳細は電波新聞・電波新聞デジタルに後日掲載します)