2022.06.15 駅の音を文字で表現富士通やJR東などが上野駅で実証実験
駅員によるアナウンスを文字に変換できる「エキマトペ」=15日、東京都台東区のJR上野駅
聴覚障害者らの鉄道利用後押し
駅のホームに流れるアナウンスや電車の音などを文字や手話に変換しディスプレーに表示する――。そんな機能を備えた装置「エキマトペ」の導入効果を確かめる実証実験が15日、東京都台東区のJR上野駅で始まった。期間は12月14日まで。聴覚に障害がある人らが鉄道を利用する際の安全性と快適性を高める狙いだ。
仕掛けるのは富士通とJR東日本、大日本印刷など。この日は、報道陣にエキマトペを活用した実験を公開。上野駅の1、2番線(京浜東北線と山手線)ホームに流れる環境音を視覚的に表現した。
ホームにある自動販売機の上部には、「吹き出し」をイメージした専用ディスプレーを設置。電車がホームに近づくと、駅のアナウンスや車両の発着音などを人工知能(AI)が識別し、画面上に文字情報と手話の動画が素早く流れた。「ガタンゴトン」「プシュー」といった擬音語への変換も可能だ。
また駅員がマイクに向けてメッセージを読み上げると、内容に適したフォント(書体)で表現された。プロジェクトを主導した富士通の担当者は、実験結果を踏まえ「なるべく早く全国に広めたい」と意欲を示した。
(20日付電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)