2022.07.05 アクセンチュアがメタバース上で記者会見、報道現場にも新風吹き込む
アクセンチュアがメタバース上で開いた記者会見。記者が個性的なアバターに扮して参加した
総合コンサルティング最大手のアクセンチュアは5日、インターネット上にある3次元の仮想空間「メタバース」を活用して記者会見を開いた。日本では珍しい先駆的な会見方式で、世界のテクノロジートレンドに焦点を当てた調査レポートを発表した。報道陣への情報発信方法の選択肢の一つとして、注目を集めそうだ。
メタバース上の会見は、世界で事業展開を行う同社としては初の試み。仮想空間で交流できるようにする日本発のメタバースプラットフォーム「cluster(クラスター)」を使用。メタバースに慣れてもらおうと、事前体験会も開いた。
ビデオ会議サービス「Zoom」の視聴者を含めた記者の総参加者数は約60人。このうち約40人がパソコンなどを操作し、好みのアバター(分身)を選んでメタバース内に入室。発表者の説明に拍手で反応したり質問したりする記者もいた。会見終了後には「南の島」に移動し、囲み取材に臨んだ。
今回の会見スタイルを採用した狙いについて、広報担当者は「メタバースをより深く体験してもらうため」と説明した。
同社は昨年12月から今年1月まで、日本を含む35カ国の23業種で働く4650人の企業経営層やIT担当幹部を対象に調査を行い、「テクノロジービジョン 2022」としてまとめた。それによると、71%か「メタバースは自社にポジティブなインパクトをもたらす」と回答。ビジネスを変革する可能性を秘めるメタバースに対する期待感の高さが浮き彫りになった。