2022.07.28 【半導体/エレクトロニクス商社特集】菱洋エレクトロ独自性とスピード感で訴求、新たな商社像に変革

中村 社長

 菱洋エレクトロは「半導体・デバイス」と「ICT・ソリューション」を主要事業領域とする。中村守孝社長は2018年4月の就任以降、自ら陣頭に立って徹底した経営改革を進めてきた。

 低迷していた業績も19年1月期から増収増益基調に転じて、23年1月期第1四半期は売上高311億円(前年同期比17.5%増)営業利益11億6000万円(同154.7%増)と好調に推移している。

 中村社長は「経営体質を強化するため社内風土、組織、人材、事業領域、財務など全てを見直し、徹底した改革に取り組んできた。22年度から始まった新・3カ年計画では、お客さまの課題やお困り事を他社よりも早く、優れたやり方で解決させていただく企業を目指し、25年1月期の数値目標として売上高1100億円、営業利益33億円を掲げる」と話し、独自性とスピード感のあるソリューションビジネスの強化で「新たな商社像」への変革に取り組む。さらに「現在の半導体不足は深刻だが、一方で旺盛な需要に下支えされており、サプライチェーンの正常化が進んだ後の23年度を懸念する。持続的な成長を実現するために、お客さまの深耕によるソリューションビジネスのさらなる強化で、環境変化に強い事業基盤を構築したい」と述べた。

 既存顧客を深掘りする一方で、医療分野で新たな顧客層の拡大にも取り組んでいる。その一環で「オンライン資格確認導入支援サービス」の提供を開始している。

 商材については中国、台湾を中心としたロジック、パワー系、無線モジュール、液晶など半導体や電子デバイス関連の新規商材を拡充しており、台湾のリアルテック製品は海外での実績を着実に伸ばし、日本国内でも拡販を開始している。

 また、人工知能(AI)分野においては医療のAI画像診断や工場などの監視・予知保全用途や、AI研究向けコンピューターなどにエヌビディア製品の提案を広げている。