2020.01.08 【CES 出展各社がプレスカンファレンス】ソニー 電気自動車の試作車を公開
公開した試作車を前に説明する吉田社長
安心・安全、快適など追求
【ラスベガス(米ネバダ州)=水品唯】ソニーは6日(現地時間)、CES2020の開幕前の記者会見で初となる電気自動車の試作車を公開した。長年培ってきた技術を活用し、自ら企画したもので自動車部品メーカーをはじめパートナー企業と連携して開発。吉田憲一郎社長兼CEOは、会見で「次のトレンドはモビリティだ」と強調し、試作車は安全性だけでなく、エンターテインメントにもこだわっている。
CMOSイメージセンサーをはじめとしたセンサー技術などでノウハウが豊富なことから、車載向け事業を強化してきた同社。ADAS(先進運転支援システム)や、自動運転などに向けて自動車メーカーとも協業を進めており、センサーなどにおける導入実績も積んできた。加えてオーディオ関連ではエンターテインメント関連の技術で蓄積が豊富だ。無線技術においても強みがある。
こうした技術力を生かしながら、安心と安全、快適さやエンターテインメントを追求するモビリティの取り組み「ビジョンS」を新たに立ち上げ、今回試作車の公開に至った。試作車にはCMOSセンサーなど計33種のセンサーを配置、高度な運転支援を実現した。車内はエンターテインメント性を高め、360度オーディオをシート内に内蔵したスピーカで実現。フロントシート前方には直観的な操作ができるスクリーンも搭載している。
試作車は自動車部品大手のマグナ・インターナショナルをはじめ、ボッシュ、ヒア・テクノロジーズ、エヌビディア、クアルコムなど多くのパートナーとともに作り上げた。
セーフティ、エンターテインメント、アダプティビティの三つをキーワードにしており、AI(人工知能)や通信、クラウドを活用しながら「ソフトウエア制御により機能が進化していく」(吉田社長)。実用化などは未定だが、試作車をさらに進化させながら方向性を見いだしていく構えだ。