2022.09.06 AI分析で高齢者に「安全運転」をアドバイス デンソーなど実証実験へ

フィードバックの例

 ドライブレコーダーの映像などをAI活用で分析し、高齢者にアドバイスを届ける。そんな実証実験が来月から、トヨタ自動車のおひざ元、愛知県豊田市で始まる。全国で初の試みという。

 主体になるのは、トヨタ系の財団法人(トヨタ・モビリティ基金)やデンソー、東京海上日動火災保険、 東大。計画を6日、発表した。それによると、市内の高齢者層3000人程度の参加を順次得て、約1年半かけて実証実験を進める。デンソー開発のAI運転診断システム(商品化はしていない)を活用し、車内外のカメラ映像やセンサーデータをドライブレコーダー内に記録して分析。それをもとに、評価やアドバイスを本人に毎月、フィードバックする。

 フィードバックされるのは、点数評価やアドバイス、前月の成績や同世代との比較、ドライバー自身の危険運転の映像、交通ルール違反の回数、統計的に事故が多い自宅周りの危険運転の状態、といったもの。スマホやタブレット、パソコンなどで提供するが、ガラケーユーザーにも配慮し、紙ベースでも対応する(ただし、映像は視聴できない予定)。

 ドラレコの機能を使って衝突時のデータを解析するサービスは進んでいるが、今回の実証のように、データを全て解析し、高齢者によくみられる危険運転などに着目して、潜在的なリスクを解析するのは、全国で初の取り組みという。フィードバックを通じて、行動変容がどう進むか効果分析や、匿名化した上でのビッグデータ活用などを想定しているという。

 (7日の電波新聞/電波新聞デジタルで掲載予定です)