2022.09.08 レアメタル1割に減らし水素生産 東芝Gが新技術 再エネ後押ししリスク対応

開発が進むMEA(東芝の資料から)

 太陽光発電のように、出力が変動し、また設置場所が偏っているような再エネ由来の電力について、水電解で水素に変換するソリューションが注目されている。その技術では、PEMと呼ばれる高分子の技術が柱の一つ。

 東芝グループは8日、これを巡り、希少金属を従来の1割に抑えつつ、性能を維持した膜電極接合体(MEA)と呼ばれるデバイス開発に成功したと明らかにした。世界で初の技術。近く事業化の在り方も発表する方針。カーボンニュートラルへ貢献していく。

 希少金属(イリジウム)を1割に減らすことで、MEA価格も2割前後下げられる見通し。地政学上のリスクなどサプライチェーンの問題にも対応できる。イリジウムは主に南アフリカなどで採掘されている。

 東芝グループは今後、今回の技術を、PEMの標準として訴求していく。
(9日付の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)