2022.12.27 東芝テック、グローバルエコシステムを加速 新規事業、DXさらに拡大
東芝テックは、グローバルエコシステムを加速する。米国子会社の東芝グローバルコマースソリューションズ(Toshiba Global Commerce Solutions)と連携し、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA(エレラ)」を活用したエコシステムを構築、新規事業領域やデジタルトランスフォーメーション(DX)のさらなる拡大を目指す。
同社は、現中期経営計画(2022年中計)で、重点テーマに①共創システムのさらなる進化②データを利活用した新たな価値の創出③グローバル総合力の最大活用によるリテール事業の成長④ワークプレイス事業のさらなる収益基盤強化―などを掲げる。
海外拠点64社、世界ではナンバー1で国内では約5割のシェアがあるPOSシステム、世界で約120万台が稼働するMFP(複合機)などのアセットを強みに「共創による新たな価値創出により、グローバルトップのソリューションパートナー」(錦織弘信社長)を目指している。
こうした戦略の一環として、9月に米子会社が米国・ダラスに開発拠点「イノベーション&インキュベーション ハブ」を設立、稼働している。
「クラウド開発、コンピュータービジョンやIoTへの投資を通して成長戦略の加速を図る」(錦織社長)と、同拠点を位置付ける。特にELERAに関する事業開発を推進し、SaaS(ソフトウエア アズ ア サービス)を見据え、マイクロサービスを含むクラウド関連の開発などを行っていく。
こうした取り組みを加速させるため、国内の開発人員の一部についてダラスの開発拠点へのシフトも検討。25年には現状の約5倍の数百名規模の開発体制の構築を目指し、日米でのシームレスな開発体制の下でシステム運用監視保守サービスや、データサービス、セキュリティーサービスなどの各種リテールソリューションサービスをSaaSとして提供するプラットフォーム開発を促進する。
グローバル連携によりELERAの開発を加速して、スーパーマーケット、量販店、コンビニエンスストア、レストラン、エンターテインメントといったさまざまな業種業態の顧客へ最適なソリューションの提供を実現するとともに、新規事業領域の拡大を目指す。
ELERA(エレラ) 多種多様なマイクロサービスを構築するとともに、購買に伴う膨大なデータを集約するグローバルリテールプラットフォーム。高付加価値のデータを利活用しながら、小売業のDXの推進を強力にサポートする。