2023.01.19 【LED照明特集】東芝ライテック 平岡敏行取締役社長
平岡 社長
カメラ付きLED照明活用 人流分析サービスを提案
昨年は、ロシアによるウクライナ侵攻や円安などの影響で原材料費が高くなり、現行価格では対応しきれない状況となった。改善してきてはいるが、部品調達は依然として正常化しきっていない。
厳しい環境下ではあったが、深紫外線LEDと光触媒を搭載した除菌脱臭機「ユービッシュ」は前年から売り上げが倍増している。2022年度を「UV(紫外線)拡大元年」と位置付けて取り組んでおり、施設への導入などで成長を持続できている。ラインアップの拡充も進めており、今後は電気工事を伴う機種も製品化していく予定だ。
国内の照明市場は、コロナ禍で一時的に落ち込んだが、徐々に回復してきた。コロナ前の19年の水準には戻り切っていないが、カーボンニュートラルの実現に向け、LED照明への切り替えで省エネを加速する必要がある。照明業界として果たす役割は大きいと思っている。
フロー(メーカー出荷)はほぼ100%LEDになっているが、ストック(既設照明)はまだまだの状況だ。省エネ・節電だけでは不十分で、LED照明のプラスアルファの付加価値を提案し、切り替えを促していかなければならない。
当社は、カメラ付きLED照明「ビューレッド」を活用した「人流分析サービス」など、新たな提案を進めている。IoT化も生かしたサービスで、照明単体にとどまらない取り組みにより、顧客へのベネフィットを訴求している。
説明が必要なソリューションであるため、ユーザーは少しずつ増えているという状況だ。昨年11月からはローカルサーバーの設置やクラウドサービスの契約を不要にし、「まずは使ってみる」といった形で導入しやすいビューレッドの受注も開始した。
その後、本格的なサービスへと拡張することもできるため、導入の敷居を下げられる。照明の新たな価値を提案するものとして力を入れていく。
今年はコロナ禍で落ちた需要の回復途上にあるので、照明出荷はまだ増えるはずだ。半面、原材料費の上昇は続いているため、製品の収益性の確保に課題が残る。
付加価値の高い照明や付随するサービスなどの提供が重要であるだけでなく、物流面でも共同運送による効率化などに道筋を付けていかなければならないと思っている。