2023.01.25 京セラが自前のテストコースで車載強化 横浜の施設を報道陣に公開

落下物検知のデモのもよう

 京セラは、横浜市で約1年前に実運用を始めた「中山テストフィールド」について報道陣に初公開し、車載関連の技術開発成果の一端もデモで披露した。電子部品メーカーがこうした施設を自前で構えるのは珍しい。

 フィールドは敷地約5000平方メートル。3車線の直線道路(100メートル)や外周路(400メートル)、傾斜角度プラスマイナス10%の傾斜路、交差路、砂利道やタイル貼り凹凸路、駐車場、夜間や朝夕などを模して、明るさを多段階に設定できる環境試験建屋、信号、街路灯などからなる。雰囲気は静かな教習所のコースのようだ。

 センターでは、▽先進運転支援システム(ADAS)や自動運転用の車載センサーの機能検証といった「デバイス」▽模擬交通環境下で通信品質や特性を検証する、各種路側機などの「ユニット」▽さまざまな道路環境下で車両制御アルゴリズムを検証する、路車協調などの「システム」、の3分野を挙げた。

 フィールドができ、▽実証実験を前にした「シミュレーション」→「ラボ評価」→「フィールド検証」という開発サイクルの迅速化で、研究開発期間を短縮▽公道でのシーンを模擬した試験で品質や信頼性を確保・向上し、▽顧客を招いてのデモや模擬試験で新規顧客や事業パートナーの取り込み、などがメリットになっている。

 今月の「CES2023」で披露した最新技術も、ここで取り組まれている。車載そのものに加えて、エネルギー関連でも研究が進む。デモでは、BYDの車体をもとにした自動運転バスなどさまざまな技術の紹介があった。

(26日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です。電波新聞デジタルに動画)