2023.02.28 自律制御AIで初のパッケージサービス 横河電機
AI制御モデルを組み込むエッジコントローラー「e-RT3」
横河電機は自律制御AI(人工知能)を使ってプラントの効率的な運用改善が図れるサービスの提供を開始した。
同社は昨年、JSRの化学プラントで行った共同実証実験で、独自開発のAIを使って工場を35日間連続制御することに世界で初めて成功。今回のサービスはこの際に用いた強化学習AI「FKDPP」を初めてパッケージングサービスとして販売するもの。AIの高度な知識がなくても利用者自身がモデルを作成できるよう使い勝手を改善した。
ユーザーはクラウドからモデル作成に必要なデータを投入し、自律制御AIでAI制御モデルを作成。モデルは装置を制御するエッジコントローラー「e-RT3」に実装して使用する。
エレクトロニクス業界への応用でも期待は大きい。電子部品を加熱して焼結させる焼成炉は厳しい温度管理が必要で、温度むらがある炉内を効果的に制御するのは難しい課題となっている。
半導体プロセスの加熱工程でも、拡散炉やウエハー成膜時の膜厚管理などで炉温の精緻な制御が求められる。
自律制御AIサービスの活用でこうした温度管理を最適化できるほか、圧力や水位・流量などを制御することで、工場の自律操業化が期待できる。
(3月1日付電波新聞/電波デジタルで詳報します)