2023.03.22 MOXAが企業の製造業DXを支援、現場の見える化で高効率生産
シリアルデバイスサーバー「NPort」
シリアルからイーサネットに変換
台湾の産業用ネットワーク機器メーカー・MOXAは、企業の製造業DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するソリューションを展開している。
データを1ビットずつ連続的に送受信する通信方式である「シリアル通信」。成熟した通信技術により、設計がシンプルで安価にシステムを構築でき、メンテンナンスも容易なことから、製造現場では多くのシリアルデバイスが利用されている。
作業のリモート化や制御機械のクラウド化、無線通信技術の活用といった製造業のDXを実現するには、現場の設備から多数のデータを収集する必要があるが、現状ではネットワークに接続していないデバイスも多いのが現状だ。
例えば、代表的なシリアル通信の仕様である「RS-232」の場合、接続は1対1で通信距離は約15メートル。「RS-485」は最大32ノード接続可能だが、通信距離は約1.2キロメートルが限界だ。
高速通信規格イーサネットを使えば、シリアル通信の限界だった通信距離や接続デバイス数は無制限。製造業DXにはイーサネットの活用が欠かせない。
今なお現役で稼働するシリアルデバイスを生かしながら、イーサネットによるDX化をサポートするのが、MOXAのシリアルデバイスサーバー「NPortシリーズ」だ。シリアルデバイスを高速で伝送距離の長いイーサネットに接続可能にする。
MOXAは、シリアルデバイスサーバー市場で世界上位に位置する。CPUなどのチップを自社設計・開発して、長期安定供給できるのが大きな強みとなっている。
切削加工などのCNC(コンピューター数値制御)マシンには、動的な生産計画を立てるために必要なデータ取得が求められる。温度や湿度、電圧といったアナログのフィールドデータをデジタル変換するリモートI/Oなどと共に、NPortがCNCマシンのネットワーク化に活用されている。
シリアルをイーサネット規格に切り替えるNPortに対し、同じS2E(シリアル・トゥ・イーサネット)デバイスのプロトコルゲートウェイ「MGate」は、EtherNet/IP、Profibus、Modbus、CANbusやDeviceNetといった多様な産業用プロトコルを相互変換し、異なる通信プロトコルを使用する機器や、システムの接続を行う。データをクラウドに上げるためのプロトコルに対応したモデルもある。
製造業DXの大きなメリットの一つは生産現場の見える化だ。リアルタイムに情報を収集して現場の改善点を把握することで、生産の効率化を図れる。
多くのS2E製品を持つMOXA。製造業DXの課題を解決するため、コスト面も含む最適なソリューションを提案する。
産業設備をネットワークでつなげる製造業DXの第一歩として、「シリアル通信とネットワーク入門」と題し、30日に無料ウェビナーを開催する(https://register.gotowebinar.com/register/3519931874174280286?source=dempa)。