2023.03.28 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 営業拠点 中国営業戦略 上村工業

宮崎 総経理

情報収集で早期需要を獲得、対面での商談進める

 上村工業は、香港と上海に販売会社を置き、また、深圳に製造拠点などを設置。中国向けのめっき薬品、研磨剤、めっき装置の需要に対応している。上村化学(上海)有限公司の宮崎新治総経理は「2022年はロックダウンの影響もあったが、年間を通じて順調に推移した。今年は在庫調整などの影響で落ち着いているが、情報収集を徹底し、早期の需要獲得を目指す」と話している。

 上海の拠点は02年に設立。20年以上の歴史を持つ。管内には蘇州に生産拠点があり、重慶などの拠点もある。拠点のスタッフ数は、合計で約60人となっている。

 昨年の状況はロックダウンの影響はあったものの、夏以降に需要が活発化。個人向け商品需要や電子産業向け需要が好調に推移した。個人需要向けではテレワークなどリモートでの働き方や学び方が進展し、パソコン需要向けが増加。電子産業向けではデータセンター向けの需要が好調。このほか、自動車向けの電装化向けの需要も好調だった。

 今年に入り、企業の在庫調整局面が続き、落ち着いた状況が続いている。同社はこの状況が当面続くとみており、取り組みとして顧客の動向の把握や情報を収集することで将来の需要に対応できる準備を整える。「落ち着いた状況の中でも伸びている企業もある。そのことを見極めながら情報収集を徹底し、将来の需要に対応する」(宮崎総経理)。

 中国ではコロナ禍でも企業の活動や人の移動の制限が少なくなり、経済活動が行いやすい状況となった。同社では情報収集を行うため、企業訪問や出張ベースの商談を推進。「フェイストゥーフェイス」での商談を進め、リアルでの活動を展開する。また、イベントなども復活していることから、展示会への出展も推進する。3月下旬には当地の関連展示会にも出展し、商材をアピールした。今後開催される関連展示会にも出展する予定だ。

 宮崎総経理は「早期に需要を獲得できるよう好調な分野にターゲットを絞り準備をしておく。乗り遅れないよう、今後の需要に対応したい」と語った。